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相続時精算課税制度のメリット ~月刊不動産10月号より~
2008年10月29日
1、相続を待たずとも2500万円の控除額の範囲内であれば、生前贈与により贈与税の負担をすることなく、資産を子に渡せる。
2、相続財産が相続税の基礎控除以下で相続税が掛からないケースの場合、2500万円までの贈与であれば贈与時、相続時を通じて税額ゼロになる。
お持ちのアパートやマンションを贈与する場合も、この相続時精算課税制度を利用すれば
いくつかメリットがあります。
1、賃貸アパートの建物部分を子供に贈与する場合、固定資産税評価額から借家権割合の30%を控除した金額が贈与税の課税価格となります。相続時精算課税制度を使うと、この課税価格について将来相続したときに課税されますが、贈与後の賃貸アパートから生ずる家賃収入は子供の所得となるため、結果として将来の賃料収入を無税で贈与したことになります。贈与しないでそのまま親の収入を増やし続けた場合、賃料収入には所得税がかかり、その収入を貯蓄することで、将来の相続財産を増やす結果になってしまいます。高収益物件を贈与することで、被相続人の所得税と相続税を同時に節税する効果が得られます。
2、親の土地に子が賃貸アパートを建てた場合、地代の支払いをしなければ、その土地の賃借は使用貸借となり、借地権の贈与の問題は生じません。ただし、相続上、その土地は自用地となり、更地と同じ評価になります。これに対して、すでに賃貸しているアパートの建物部分を贈与した場合には、贈与した時点での被相続人と借家人との権利義務を子供がそのまま引き継ぐとみなされるため、その土地は貸家建付地としての評価をされることになります。ただし贈与後に賃貸人が変わると、土地所有者と借家人との権利関係が無くなってしまうため、その敷地部分については自用地評価となります。それを避けるためには不動産管理会社を設立しサブリース契約を結ばなければなりませんが。~月刊不動産10月号より一部抜粋~