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2008年
売主様は呉服老舗メーカ－様です。京都支店として室町に長く拠点をおいておられましたが、支店の統廃合に伴うご売却でした。
買主様は東京の法人様でたまたま本物件の近くで支店を借りておられましたが、手狭になってきたので、物件を探しておれたところ、たまたま僕が紹介させて頂き気に入られて即座に申込み頂きました。
買主様は本物件を購入されたあと、大規模な修繕工事を行う予定でおられましたところ、大規模修繕を行うには新築時の設計図書や建築確認図面、構造計算書が必要であることが分かりました。（今となっては当然なのですが、当時は僕も経験不足でした。）
これらが、なんと売主さんすべて紛失のため存在しないという事も判明し、それなら購入の目的が達せられないので解約だという話になりました。
すでに移転されていたので、解約となれば売主様が承諾いただけるのかどうか。もし承諾いただかなければ訴訟にまで発展する事態です。当然のことながら当社の仲介責任も問われる大ピンチでした。しかし僕は最初から、一切逃げず真正面から取り組む覚悟でした。（当社がつぶれたらつぶれたでしょうがないと腹をくくってましたので。）
しかしそれから1週間ご、奇跡が起こりました。紛失してないと言っていた書類がなんと出てきたと。売主様より。命拾いというのはこのことです。

それ以来この買主様には、逃げずに取り組んだ事が結果気に入って頂いたのでしょうか？それ以降の売り買いはすべてご依頼いただくようになりました。ありがたい事です。
やはり人間正直に逃げずに取り組めば、そのうちなんとかなる。という得難い経験でした。